歯周病と全身疾患
歯周病の原因は細菌の塊であるプラーク(歯垢)ですが、歯周ポケットの中では細菌と宿主(自分の体)の果てしない戦いが繰り広げられています。最近の報告では、全身疾患や全身状態が宿主の免疫力(細菌と戦う力)に少なからず影響することが分かってきました。つまり、免疫力を弱めるような全身疾患や生活習慣が歯周病のリスクファクター(危険因子)となりうるということです。
歯周病を予防・改善していくためには、口腔内環境はもちろん、生活習慣を見直してリスクファクターを減らし、全身の健康状態をととのえていくことが大切です。
【喫煙】
喫煙は歯周病を悪化させる大きなリスクファクターです。喫煙は血管を収縮させて歯肉の血行不良をひきおこします。そのため、見かけの歯肉の炎症は少ないのですが、歯周病細菌に対する抵抗力が低下し歯周病を重症化させます。
【糖尿病】
糖尿病になると細菌感染に対する抵抗力が低下し、歯周病が悪化しやすい状態になります。また、最近の研究では、徹底した歯周病治療で血糖値が改善されることがわかってきました。
【ストレス】
精神的ストレスによって体の抵抗力が弱くなったり、生活習慣(ブラッシング、喫煙、食生活など)が変化したりすることで歯周病が悪化しやすい状態になります。
【食習慣】
甘いもの、やわらかいものを多く食べる習慣は、歯周病の原因であるプラークを増殖させ、つきやすくします。また、不規則な食事、栄養の偏りは全身の健康に悪影響を与えます。
歯周病と食事の関係
「医食同源」といいますが、体の抵抗力(免疫力)を高めるような食品を摂取するのが健康に良いと考えるのは当然のことです。これは歯や歯肉にとっても同じです。歯周病予防のための食生活に関して以下に述べます。
*繊維質を積極的に摂りましょう!
虫歯や歯周病の原因は歯垢(プラーク)です。軟らかな加工食品に代表される現代食は、歯にこびりつきやすく、歯垢を増やす原因となります。そこで、繊維質のものを食べると食事で歯についた食べカスを落とす効果があります。セロリなどの生野菜やリンゴなど噛みごたえのある果物が良いでしょう。
*よく噛みましょう!
よく噛むと唾液の分泌量が増えます。この唾液には細菌を洗い流して、炎症を起こしにくくする成分(免疫グロブリン)が含まれています。毎日の食事に噛みごたえのある食品を取り入れて、しっかりよく噛んで大切な歯や歯肉を守りましょう。
食品に関する注意点
・人工過程を経た加工食品(練製品・市販調味料・缶詰など)や、インスタント食品(即席めん・カップラーメン)は要注意です。
・食品添加物や農薬を使用した食品はなるべく避けましょう。
・清涼飲料水やその他嗜好飲料は食品添加物とカロリー以外の何者も含まず、代謝の時、ビタミンやカルシウムを大量に必要とするためなるべく避けるようにしましょう。
毎日摂取したい食品:食養生へ Topへ
1)未精白穀類 :玄米、黒パン、麦、そば など
2)大豆、大豆製品 :豆腐、納豆、高野豆腐、豆乳、ゆば、枝豆 など
3)ごま
4)緑黄色野菜 :小松菜、セロリ、春菊、ブロッコリー、オクラ など
5)海草類 :ひじき、わかめ、昆布、もずく、寒天、とろろ昆布 など
6)新鮮な魚 :ただしウナギや脂ののった魚は控えましょう
歯周病がリスクファクター!
逆に、歯周病が全身疾患のリスクファクターになることも最近の研究から分かってきました。以下に挙げる疾患は、歯周病がリスクファクターになる可能性のあるものです。
・心臓血管疾患 ・感染性心内膜炎 ・低体重児早産
・糖尿病 ・肺炎 ・骨粗鬆症など
歯周病と全身疾患が深く関連していることが分かってきた現在、「歯も体も丈夫」が一番です。お口の病気である虫歯や歯周病は、正しい知識と毎日のちょっとした努力で簡単に予防できます。まずは「お口の健康づくり」から始めてみましょう!
新しい歯周病の原因論
アメリカでは歯周病を全身疾患のひとつと捉えています。 歯周病は歯周病関連菌による感染症です。他の病気も含め、このように人が細菌などに感染した場合、体の中には殺菌消毒の作用を持つ『活性酸素』が作られ感染症がおこらないように防いでくれている事実が最近分っています。しかしこの『活性酸素』、必要以上に作られてしまうと、逆に正常な細胞やDNA までもが攻撃され破壊されてしまいます。ただ体では、その余った『活性酸素』を無害にし、身を守るために『抗酸化物質』( 代表的なものにSOD とよばれる酵素があります。)というものも作られるのですが、その量が不足すると結局病気は進行してしまいます。歯周病の進行も突き詰めるとこのようなメカニズムだったのです。これらの研究の積み重ねの結果、2002年6月アメリカ医学界は見解を大きく転換しました。『抗酸化物質の不足は慢性疾患につながるリスクを高める。普通の食事のみでは、抗酸化物質を十分に摂取することはできない。したがって、食事以外にも抗酸化物質を摂取することが必要である。』と。そのためまだ広くは知られていませんが、アメリカでは新しい治療法として免疫栄養素(抗酸化物質を含み免疫系を強化する栄養素)を使った方法が考えられています。その結果今までの歯周病治療と共に『抗酸化物質』を利用した場合、ポケット(歯と歯ぐきの隙間の深さ、歯周病の指標のひとつ)の減少率が3倍になったという報告もあります。アメリカの食事は肉類や油脂の摂取が多いため活性酸素が多く産生されます。そのためより多くの抗酸化物質が必要と考えられます。最近の日本の食事も欧米化され、肉類、油脂、加工食品の摂取が増え、成人病の増加の原因のひとつに考えられています。
日本には「食養生」という言葉があり、これは肉類、油脂、加工食を控え、本来日本人が食べていた食事に戻すことにより、自己の免疫力を高め、病気に打ち勝つ強い体、を取り戻すということです。先に挙げた 「毎日摂取したい食品」を多く食べることにより、抗酸化物質を補給し、歯周病や成人病に打ち勝つ免疫力をつけましょう。
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喫煙の害
最新情報ではありません。以前から言われていることですが・・・

糖尿病と歯周病 Topへ
糖尿病とは、血液中のブドウ糖の濃度(これを血糖値といいます)が高くなり、その結果尿中に糖が出てくるようになる病気です。この発症に関係するのがインスリン(insulin)というホルモンです。糖尿病の種類は以下の通りです。
1・インスリン依存型
インスリンを産生する細胞が障害を受け、インスリンの分泌が欠乏するものであり、若い頃に発症します。
2・非インスリン依存型
インスリンの分泌はあるが、インスリン抑制作用が働くためにおこるものであり、40才以降に発症します。ほとんどの糖尿病の方は、こちらのタイプです。
*糖尿病と歯周病との関係
歯周病のリスクファクターを調べた結果、 非糖尿病患者100人の中で10人が歯周病 にかかっているとすると、糖尿病患者100人の中には歯周病患者が23人いるというデータがあります。非糖尿病患者の2倍以上の人が歯周病になっているということです。
*糖尿病が歯周病を悪化させる原因
高血糖の結果として、唾液の分泌が減り、唾液中のグルコースが高濃度となるために、口腔内の乾燥をまねき自浄作用が低下します。また白血球の機能が低下するので、細菌感染をおこしやすくなります。そのため、歯周病にもかかりやすくなります。
糖尿病は、食事療法、運動療法、薬物療法などにより、長期間治療を継続しなければなりません。血糖値のコントロールが悪いと、歯周病が悪化すると考えられます。反対に歯周治療を正しく進めることによりインスリンの感受性が高められ、高血糖状態が改善されるとも考えられています。糖尿病に罹患している人は、定期的に歯科健診を受け、メインテナンスを継続することが絶対に必要です。
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歯槽膿漏(歯周病)の自己診断チェックシートを作ってみました。
歯周病の進行度合いをチェックしてみてください。

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白砂糖は薬品?
原料から精製され、漂白された純粋な化学薬品で、食品というよりも薬品。化学方程式であらわされる・・・・(C6H12O5)2
身体の中に入ると、Ca, Vitamin B1 を奪ってしまう。
潜在性、増量性、習慣性がある。- - - - - 麻薬とよく似ている!!
白砂糖の摂りすぎで起こる事
肥満、虫歯、糖尿病(膵臓の血糖調節機能不全、血糖が下がらなくなる)
<インシュリンが出っぱなしで、麻痺してくる>
骨粗鬆症、(骨折しやすくなる)、歯槽膿漏の悪化(歯槽骨の吸収)
便秘、肌荒れ (Vitamin B1不足)
腸の働きが悪くなり腸にガスが溜まりやすく、下痢、便秘になる。
低血糖によるイライラ、攻撃性増加、神経過敏、めまい
((低血糖はインシュリンが過剰に分泌され血糖が下がりすぎる事))
その結果、血糖値を上げようとしてアドレナリンが過剰に分泌され暴力的になったり脳の正常な判断が出来なくなったりする
血液が固まりにくくなる、貧血、免疫力の低下、化膿しやすい、アレルギー症状、認知症
対策として、白砂糖の代わりに Ca やミネラルも含んでいる 黒砂糖、蜂蜜、水あめ、てんさい糖、きび糖、メイプルシュガーなどを使う。普段飲んでいるお茶を五層龍茶(サラシノール茶)に換える。
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